海外まき網の漁法は1艘まきと呼ばれ、夫々の漁船が3〜4隻搭載したボートを補助として、図の様に海面側が底辺の台形で帯状の網を、写真の様に円形にまいてかつおを獲ります。トップページのスライドで、当協会の所属船が一覧できます。船尾にその船で最大の搭載ボートと、網が積まれています。
かつおを発見したら網の片端を持った船尾のボートを下ろし、漁船は群れを大きく取り囲むように旋回します。裾(リング側)が海中に沈み、網がかつおの群れを取り囲んだら、素早くリングに通したワイヤーで網の裾を引き締め、袋状にして閉じ込めます。その後に袋を絞って小さくして、大型のタモ網でかつおを船の上にすくい上げ、船内ですぐに凍結します。
北緯20°以南の太平洋中央海区の水域で、年間を通して操業します。また、夏場6〜9月に北緯20°以北の北部太平洋海区で操業する船も一部あります。
南太平洋の漁場は、グァム島の南側に点在する島国の内、ミクロネシア連邦、パラオ共和国、マーシャル諸島共和国、パプアニューギニア、ソロモン諸島、ナウル共和国、キリバス共和国、ツバルの8ヶ国の排他的経済水域です。
この中でかつおを追って、外国船と競争しながら操業しています。右の地図で示したように、日本最南端の沖ノ鳥島が北緯20°25分、東経136°付近に、そしてその南東1,800Kmにグァム島があり、その更に南が漁場です。
焼津・枕崎・山川といった日本の基地港から漁場までは、片道5日〜1週間の航海になります。左の地図には入漁先8ヶ国を含む南太平洋の国々と、夫々の首都を掲載しています。
なお、点線は国を分けるための便宜的なもので、各国の排他的経済水域の境界を示したものではありません。
2023年は13万トン強の冷凍かつお・まぐろ類を生産し、その80%弱はかつおでした。
2022/2023両年の港別の水揚比率です。海まきは主に、静岡県焼津漁港、鹿児島県枕崎漁港、山川漁港で水揚げし、地域及び加工業界の方々に貢献しています。
2023年の用途別かつおの使用比率です。枕崎・山川・焼津・石巻の魚市場に水揚げされたかつおは、国内では主に加工原料として販売しています。
一番の用途はかつお節原料で、日本で使用されるかつお節原料のうち約8万トンは、当協会所属船の漁獲物が使用され、和食文化に貢献しています。
また海外では主にタイに輸出され、缶詰として加工されています。